8月1日より、多くの方々のご支援とご協力により宇宙栄養研究センターを設立することができました。

この場をお借りして、ご協力いただきましたすべての方々に感謝申し上げます。

 

昨年度から、欧米だけでなく日本でも有人の宇宙探査計画が発表されています。

JAXA の場合、2030 年頃を目処に有人月探査計画が発表されました。

NASA はさらにその上で火星での有人探査を目指しております。

そうなると宇宙活動のために最も必要となってくるのは「食」です。

国際宇宙ステーションのような近距離の場合ですと食材の補給が容易ですが、

火星となると、その食材の栽培も必須となってきます。

 

徳島大学は、青色 LED の開発でノーベル物理学賞(中村修二氏)を輩出した LED 研究の盛んな大学です。

さらには、日本国内では唯一、国立大学医学部内に栄養学研究が活発な医科栄養学科があり、

地方では非常にユニークな大学です。

そこで、この 2 つの特徴を合わせた研究・教育機関を作ろうと考えました。

つまり、宇宙環境による疾患(筋萎縮、骨粗鬆症、放射線障害や味覚異常など)に有効な機能性宇宙食材を栽培できる完全閉鎖型(宇宙用)の LED 植物工場を開発しようと思ったのです。

そのためには、医科栄養学科だけではなく、生物資源産業学部や理工学部との部局を越えて研究開発を行う必要があり、今回のセンター設立となった次第です。

 

座右の銘として「夢はでっかく、根は深く」を掲げて、これまで研究生活を送ってきました。

夢はでっかくということで、今回のセンターを日本いや世界の宇宙食開発の拠点にしたいというのが私の夢です。私も退職まで 8 年あまりです。

おそらく最後の夢の一つです(もう一つは、今の研究を Big Journal に載せることです)。

センター職員が一丸となって頑張りますので、何卒温かいご支援をよろしくお願いいたします。

 

 

 

2018年12月

宇宙栄養研究センター センター長

徳島大学 医科栄養学科 生体栄養学分野 教授

二川 健